相続問題に弁護士が必要な理由とは!法律相談や依頼をするメリットについて

遺産相続に対応する際には専門家によるサポートがあると、何かと助かります。
相続に関する専門家にはいろいろありますが、中でも弁護士はさまざまな事項に対応できるので頼りになります。

この記事では遺産相続問題に取り組む際、弁護士に相談するメリットをお伝えします。
相続人になった方などはぜひ参考にしてみてください。

1.相続で弁護士が対応できること

遺産相続で弁護士が対応できることには以下のような事項があります。

  • 遺産相続に関するアドバイス
  • 相続人調査
  • 遺産の調査
  • 遺産分割協議書の作成
  • 相続放棄や限定承認の申述代理
  • 遺産分割協議の代理交渉
  • 遺産分割調停や審判の代理
  • 遺留分侵害額請求の代理
  • 遺言書の検認
  • 遺言無効確認請求への対応
  • 遺産使い込みトラブルの解決

以下でそれぞれについて簡単にご説明します。

1-1.遺産相続に関するアドバイス

弁護士は遺産相続全般についてのアドバイスができます。
まずは何から手を付けて良いのかわからない、遺産分割の進め方を知りたい、他の相続人ともめて困っているなどのお悩みがあれば、気軽に相談してみましょう。

1-2.相続人調査

被相続人の生まれてから死亡するまでの戸籍謄本類を取得するなどして、相続人を確定するための調査を行います。相続人調査は非常に手間のかかる手続きですが弁護士が代行すれば、相続人に手間がかかりません。

1-3.遺産の調査

どのような遺産があるのか弁護士が調査して一覧表を作成します。預貯金や不動産がたくさんある場合などには弁護士に依頼すると手間が省けるでしょう。

1-4.遺産分割協議書の作成

相続人が遺産分割協議を行って遺産分割協議書を作成しなければならないとき、弁護士が遺産分割協議書を作成します。どのように作成すれば良いかわからない場合にも弁護士に任せれば安心です。

1-5.相続放棄や限定承認の申述代理

借金が遺された場合などには、相続人さまが相続放棄や限定承認を希望するケースがよくあります。そのようなとき、弁護士が代理で家庭裁判所への申述手続きを行います。

1-6.遺産分割協議の代理交渉

遺産分割協議で他の相続人ともめてしまった場合や自分で交渉したくない場合などには、弁護士に遺産分割協議の代理交渉を依頼できます。

1-7.遺産分割調停や審判の代理

家庭裁判所における遺産分割調停や審判の代理も弁護士に任せられます。

1-8.遺留分侵害額請求の代理

遺留分を侵害されたときの遺留分侵害額請求をする場合や、遺留分侵害額請求をされたときの代理交渉を弁護士に任せられます。調停や訴訟になったときの代理も依頼できます。

1-9.遺言書の検認

法務局に預けられていない自筆証書遺言や秘密証書遺言が見つかったら、家庭裁判所で検認を受けなければなりません。遺言書の検認手続きも弁護士へ依頼できます。

1-10.遺言無効確認請求への対応

「遺言が無効」と主張する相続人が現れると、遺言無効確認調停や訴訟に発展するケースもあります。そんなとき、弁護士に遺言無効確認請求への対応を依頼できます。

1-11.遺産使い込みトラブルの解決

相続人の中に、遺産を使い込んだことが疑われる人がいると、相続人間で大きなトラブルになってしまうケースが多数です。その場合でも、弁護士を代理人に立てて交渉すればスムーズに解決できる可能性があります。交渉が決裂した際の訴訟の代理人も依頼できます。

2.他の専門家と弁護士の違い

相続について相談・依頼できる専門家には弁護士以外にも司法書士や税理士、行政書士などがあります。こういった他の専門家と弁護士は何が違うのか、確認しましょう。

2-1.弁護士は本人の代理人ができる

弁護士の大きな特徴は、本人の代理人をつとめられる点です。
他の専門家は本人の代理人として交渉や調停、訴訟ができません。
弁護士にできて他の専門家にできない事項として、以下のようなことがあります。

  • 遺産分割協議の代理
  • 遺産分割調停や審判の代理
  • 遺留分侵害額請求の代理
  • 遺産使い込みトラブルへの対応
  • 遺言無効確認請求への対応

相続で大きなトラブルになるのは、たいてい遺産分割絡みです。
誰がどの遺産を受け継ぐのか、あるいはどのように遺産を分割するのか意見が合わず、もめてしまいます。一部の相続人と連絡をとれないケースもあります。
このような遺産分割トラブルを解決できるのは弁護士だけです。

もしも司法書士や行政書士などの他の専門家に相談していても、途中でトラブルになったら弁護士へ依頼し直さなければなりません。そうなると二重に費用がかかってしまう可能性もあります。

それであれば、初めから弁護士に相談・依頼する方が手間も費用も省けるでしょう。

2-2.他の専門家にしかできないこと

なお弁護士には取り扱いがなく、他の専門家しか扱っていない事項もあります。それは不動産の登記(名義変更)と相続税の申告です。
不動産登記については司法書士、相続税の申告については税理士に依頼する必要があります。

ただ司法書士や税理士と提携している弁護士であれば、わざわざ依頼者が別途司法書士や税理士を探す必要はなくワンストップで対応が可能です。

不動産の名義変更や相続税の申告が必要になりそうな場合、他士業と提携している弁護士に相談・依頼すると良いでしょう。

3.弁護士に相続問題を依頼するメリット

以下では弁護士に相続問題を相談するメリットをみていきましょう。

3-1.相続に関する多彩な相談ができる

弁護士には相続に関するさまざまな相談ができます。
弁護士自身の対応範囲が非常に広いからです。

  • 遺言書の探し方
  • 相続人調査の方法
  • 相続放棄の手続き
  • 遺産分割協議の進め方
  • 法定相続人や法定相続分の考え方
  • 他の相続人と連絡を取れない場合の対処方法
  • 行方不明の相続人がいる場合の対処方法
  • 相続人の中に認知症の人や未成年者がいる場合の対処方法など

相続税や登記以外のほとんどすべての事項について、弁護士に相談できると考えて良いでしょう。
相続に関する多彩な相談ができて、適切なアドバイスを受けられるのが第1のメリットです。

3-2.相続にかかる手間を省ける

遺産相続手続きでは、非常に手間のかかる作業が多数あります。
たとえば多くの方が、「相続人調査」に困難を感じます。相続人調査では、被相続人の生まれてから死亡するまでのすべての戸籍謄本類をそろえて、戸籍内容を読み解かねばなりません。素人の方でもできないわけではありませんが、非常に時間と労力がかかるので忍耐強さを要求されます。複雑なケースでは見落としが生じるケースも多々あります。
無理に自分で対応するより弁護士に依頼した方がスムーズに進められるでしょう。

3-3.相続手続をスムーズに進められて権利の消滅も防げる

遺産分割協議や遺留分侵害額請求、相続放棄などの相続手続きには複雑なものが多数あります。専門的な知識のない方の場合、手を付けるのが億劫で放置してしまうケースも少なくありません。しかし長期にわたって遺産相続手続きを放置すると、遺産が散逸してしまったり、遺留分侵害額請求権などの権利が時効にかかって不利益を受けたりする可能性があります。

早い段階で弁護士に相続手続きを依頼すれば、遺産が放置されることはありません。
複雑な手続きもスムーズに進められて、権利の消滅などの不利益を防げるメリットがあるでしょう。

3-4.感情的な対立が起こらない

遺産分割や遺留分侵害額請求、遺言書の無効確認請求などの場面では、親族同士が感情的に対立してしまうケースが多々あります。
他人同士であれば冷静に聞けることでも、親族だからこそ許せないと感じたり怒りの感情が沸き起こってきたりしてしまうのです。自分たちだけで話し合っていると、感情的な対立によって遺産分割協議などが決裂してしまうケースが少なくありません。

弁護士に依頼すると、第三者としてより客観的な立場から交渉を行うので、お互いに感情的になりにくいものです。
当事者同士で話すとどうしても感情を抑えられないケースでは、弁護士に依頼するメリットが大きくなるでしょう。

3-5.ストレスを軽減できる

遺産相続関係のトラブルが発生すると、当事者の方には大きなストレスがかかります。
相手のことを考えるだけで不快な気持ちになってしまうでしょう。
ストレスが溜まり、相手との交渉に疲れ切ってしまう方も少なくありません。
そんなとき、弁護士に交渉や調停などを依頼すると相手とのやり取りをすべて任せられるので、気持ちが非常に楽になります。
「法律の専門家が味方してくれている」という安心感も得られて落ち着かれる方が多数です。
ストレスを軽減できるのも弁護士に依頼する大きなメリットといえるでしょう。

3-6.有利な条件で解決できる可能性が高くなる

自分で交渉する場合、必ずしも良い条件で合意できるとは限りません。
相手の方が弁が立つ場合などには、雰囲気に流されて法的な妥当性と無関係に条件を譲ってしまうケースもよくあります。すると、本来なら得られるはずの遺産を得られなくなったり、遺留分を取り戻せなくなったりする可能性が高くなってしまいます。

弁護士がつけば、法的な観点から適正な遺産分割方法や遺留分の清算方法を提示します。
相手が不当な要求をしてきても応じることは基本的にありません。
依頼者にとって、有利な解決を導きやすくなることも、弁護士に依頼する大きなメリットとなるでしょう。

3-7.相続財産を把握しやすい

遺産分割を進める際には、被相続人の遺産をすべて把握しなければなりません。ただ実際には、相続人が遺産をすべて正確に把握できるとは限りません。他にも相続財産があるのに気づかず度遺産分割協議で合意してしまったら、後で発見されたときに蒸し返しのトラブルになってしまうおそれがあります。

弁護士に相続財産調査を依頼すれば職権を用いた調査などによって遺産を把握しやすいので、遺産分割後のトラブルを避けられる可能性が高まります。
相続財産を把握して財産調査漏れを防ぎやすくなるのも弁護士に依頼するメリットといえるでしょう。

3-8.トラブルを予防できる

弁護士が遺産分割協議を代理する場合、将来のトラブルが起こらないように配慮して進めます。もちろん相続人や遺産の見落としがないようにしますし、遺産分割協議が成立したらきちんと遺産分割協議書も作成します。
将来のトラブルの芽を摘み、未然にトラブルを防止できるのも弁護士に依頼するメリットといえるでしょう。

3-9.協議が決裂しても安心

遺産分割協議が決裂したら、家庭裁判所で調停や審判をしなければなりません。
遺留分侵害額請求の交渉が決裂した場合には調停や訴訟対応が必要です。
このように、協議や交渉が決裂してしまっても、弁護士に依頼していれば引き続いてスムーズに調停や審判、訴訟手続きなどに対応してもらえます。
交渉決裂をおそれて無理に妥協する必要がなく、自分の希望する条件を通しやすくなるメリットを期待できるでしょう。

DUONは遺産相続へのサポートに力を入れて取り組んでいます。
相続人の立場になってお悩みの方がいらっしゃいましたらお気軽にご相談ください。

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